実施日:2014年7月27日(日)
参加者:10名(一般参加者5名(大鹿村内4名、村外1名)、関係者・スタッフ5名)
集合・解散:大鹿村交流センター(8:00集合、15:30解散)

コース:
大鹿村交流センター集合 → 黒川牧場 駐車場 → 黒河山 → 笹山 → 入山(尾根道の途中まで行き、昼食)→ 笹山 → 黒河山 → 黒川牧場 駐車場 → 大鹿村「逆さ銀杏」→ 大鹿村「葦原神社」→ 大鹿村交流センターにて解散

 今年9月27日(土)~30日(火)、日本ジオパーク南アルプス大会(第5回日本ジオパーク全国大会)が開催されます。後半2日間(29、30日)には、会場となる市町村(飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村)ごとにジオツアー(29日)とオプショナルジオツアー(30日)を企画しています。ジオツアーのみの参加は可、オプショナルジオツアーのみの参加は不可となっています。また、参加したジオツアーにより、翌日に参加できるオプショナルジオツアーが限られ、同じ市町村で開催されるツアーにのみ参加可能です。
 大鹿村では、9月29日(月)は村内のジオサイトを巡るツアー、30日(火)は笹山へのハイキングを予定しています。笹山は大鹿村の北東部、伊那市との境に位置する、標高2140mの山です。
 今回、コースの下見を兼ねて、ハイキングを実施しました。大鹿村交流センターから自家用車に乗り合い、黒川牧場まで行き、牧場の駐車場からハイキングを開始しました。実は、すでに駐車場で標高2000mを超えており、頂上を目指すと言っても、急な道はほとんどありません。

ハイキング開始

ハイキング開始

 途中、笹山の避難小屋までは、往路と復路で異なるルートを設定しました。往路は森の中を進む道、復路は平らにならされて幅もある、自動車で途中まで来ることができる道を通りました。参加された方の中には、「行きも帰りも歩きやすい道の方が良かった」という意見や「帰りの簡単な道では物足りない」という声もあり、事前に難易度などを明示しておくことの重要性を感じました。また、参加される方のレベルやその日のコンディションも考慮に入れ、当日でも必要に応じてコースを変更するなど、柔軟に対応していくことも求められていると実感しました。

行きは森を通る道

行きは森を通る道

小屋の中は畳が敷いてあるが、本当に何もない

小屋の中は畳が敷いてあるが、本当に何もない

霧でよく見えないが、帰りの道は平らに均されている

霧でよく見えないが、帰りの道は平らに均されている

 一般の参加者は5名(大鹿村民4名、村外1名)と少なかったのですが、その分フットワークの軽いツアーとなり、予定よりも早く行程を終えることができました。そのため、余った時間で大鹿村の史跡の見学も行いました。
 標高2000m前後の山道を歩いたのですが、尾根沿いのなだらかな道が多く、登山というよりはハイキングという言い方でふさわしいように感じました。笹山という名の通り笹が多く、膝下ぐらいまで笹で埋まるような道を通ることもありました。

笹の茂みを進む

笹の茂みを進む

 植林されたカラマツの林もあり、今日のような乗り物や道具の無い時代に、このような山の上まで植林に来たのかと驚かされました。

かつて植林されたカラマツの林

かつて植林されたカラマツの林

 出発時は天気が良かったのですが、途中のポイントや頂上から見渡せるはずの山々には雲がかかってしまい、残念ながら南アルプスをはっきりと確認することはできませんでした。天気が良ければ、黒河山頂上付近の南方、「縞枯れ」という現象で倒木の多い場所から、塩見岳が眺望できるそうです。

倒木で歩きにくい「縞枯れ」

倒木で歩きにくい「縞枯れ」

晴れていれば塩見岳などがが見えるそうだが…

晴れていれば塩見岳などがが見えるそうだが…

 昼食は、笹山を越え、入山を少し上った所で摂りました。入山への入り口付近からは、晴れていれば荒川岳~赤石岳を眺望することができるのですが、ここでも雲がかかり、よく見えませんでした。

笹山から入山方面を見た時に見えた山

笹山から入山方面を見た時に見えた山

入山へと続く道の途中で昼食にし、折り返した

入山へと続く道の途中で昼食にし、折り返した

 その上、昼頃から天気が崩れ始め、お弁当を食べ終わる頃には雨が降り、霧も発生してしまいました。帰り道、足下は雨で濡れた笹で重く、視界も悪く、GPSに頼らなければならない場面もありました。幸い、あらかじめ雨具持参を呼びかけていたことと、復路は歩きやすい道を設定していたこともあり、無事に下山することができました。山の天気は変わりやすいということ、それに対して準備を万端にすることの大切さを改めて実感しました。

雨と霧の中を進む

雨と霧の中を進む

 黒川牧場の駐車場に戻ってくる頃には天気が回復し、少人数のためペースも速かったので、予定より1時間半近くも早く帰って来ることができました。そこで急遽、交流センターまで戻る道すがら、余った時間で大鹿村の史跡を見学することにしました。「逆さ銀杏」と「芦原神社」を回りました。
(大鹿村の史跡等についての詳細は別ページにて)

駐車場が見えるところまで来ると、再び晴れてきた

駐車場が見えるところまで来ると、再び晴れてきた

 今回のツアーでは「南アルプス3000m級の山がほとんど見える」という売りを発揮することができませんでしたが、天気の良かった往路では、気持ちの良いハイキングを満喫することができました。雨や霧というハプニングもありましたが、「下見ツアー」ということをご理解頂き、「これも1つの山の姿だな」ということを体感して頂けていれば幸いです。

笹山から大鹿村の集落を見下ろすことができた

笹山から大鹿村の集落を見下ろすことができた

 今回の反省点としては、余裕を持ちすぎたからか、早く終わってしまった点が挙げられます。当日は少人数であったため、急遽大鹿村の史跡巡りを行うことができましたが、本番は何人集まるかまだわからないため、時間調整等、今回よりも多い人数への対応を考える必要があります。また、霧が出てきた時など天候の変化への備えを含め、参加者への事前注意の必要性も感じました。今後、あらゆることを想定した上で、本番(9月30日)向けたスケジュールを作成していきます。