大会3日目の9月29日(月)、いよいよ各市町村に分かれ、ツアーを実施する日がやってきました。
 中央構造線博物館ではこの日のために、4月から準備を進めてきました。ツアーのガイドを養成するため、5回に渡り勉強会を開催しました。また、ツアーのコースを何通りも考え、スケジュールを何回も練り直してきました。

 大鹿村でのツアーには最大80名が参加できるように準備してきましたが、今回は51名の方が参加して下さいました。そのため、参加者をAとB、2グループに分け、ガイドは2人1組の合計4人で、マイクロバスを使って村内のジオサイト(地質や地形、歴史など、そのジオパークの特徴となる見学場所や、拠点となる博物館など)を巡りました。

 中央構造線博物館を始め、中央構造線の露頭(岩石や地層が露出している場所。大鹿村には北川路頭と安康露頭、2つの中央構造線の露頭が川岸に見えている)や河合の断層鞍部(断層の活動により弱くなった岩石が浸食され、周囲より低くなっている場所)、夕立神展望台、地すべり跡の地形がよくわかる上蔵などを巡りました。

安康露頭にて(安康は地名)

安康露頭にて(安康は地名)

夕立神展望台一帯に見られる緑色岩

夕立神展望台一帯に見られる緑色岩


 当日はお天気に恵まれ、特に夕立神展望台では南と中央、2つのアルプスのパノラマを楽しんで頂くことができました。
夕立神展望台からは中央アルプスも見える

夕立神展望台からは中央アルプスも見える

 ただ、問題もいくつかありました。道路が工事中であるという情報が入ってきておらず、コースの変更を余儀無くされた場面もありました。他にも、時間が足りなくなるなど、長時間かけて考えたスケジュールにもかかわらず、予定通りとは行きませんでした。実施してみないとわからないことも多く、ツアーをやりながら調整せざるを得ませんでした。しかし、参加された方々の協力もあり、無事予定通りの時間に終了することができました。

 私もガイドとして村内をご案内したのですが、参加された方々はジオパーク関係者が多く、ガイド経験の無い、地学の勉強もしてこなかった私は、逆にアドバイスをいただくことも多くなってしまいました。しかし、このような未熟な私にも、参加者の皆様は本当に優しく接して下さいました。他のジオパークのガイドの方の意見を聞くこともでき、非常に勉強になりました。
 大会に向けた準備は大変でしたが、貴重な経験となりました。今後の活動に生かしていきたいです。